health

ヘルスケア労協

ヘルスケア労協(保健医療福祉労働組合協議会)

1. 沿革

ヘルスケア労協は、保健医療・福祉職場で働く労働者(看護師、介護士等)によって組織された連合加盟の産業別組織である。

旧総評内で、医療関係の産別組織であった日本医労協(現・日本医労連)は、昭和40 年代から、職域病院や地方自治体病院などで働く労働者を組織する全逓、自治労などとともに、医療関係労組の連絡調整組織としての「総評・医療共闘」を結成し、活動を進めた。

その後、労働界全体の統一の流れの中で、平成元年11 月に総評が解散し、医療共闘の中心であった日本医労連が全労連に加盟したことで、「総評・医療共闘」は事実上機能を失い、連合系組織により新たな医療共闘の結成準備が進められた。

全逓、自治労等が中心となり、純中立の「日赤労組」(日本赤十字労働組合)、「全済労」(全済生会労働組合)、「協病労組」(北海道社会事業協会病院労働組合)等とともに、同年11 月、「全国医療」(全国医療等関連労働組合連絡協議会)を結成した。

全国医療は、自治労・日赤労組・全済労・全逓・全たばこ労組・地方組織等を中心に、医療・介護等の連絡協議会として、全国的な集会、キャラバン行動、国や医療関連団体に対する要望・要求、情報発信等を行った。

全国医療のうち、産別未加盟の日赤労組、全済労、協病労組の医療専業3単組は、平成8年から定期懇談会・学習会等の共同行動等の実績を重ねる中で、保健医療・福祉関係労働者のための運動をさらに発展させるために、新たな組織が必要との結論に至り、14 年5月11 日、当該3単組により全国保健医療福祉労働組合協議会結成準備会を設置し、①新たな組織を創り上げ保健医療・福祉に多くの働く労働者の結集をめざす、②健康は基本的権利であり全ての人が安心して利用できる保健医療・福祉制度の確立をめざす、③保健医療・福祉分野で働く労働者の経済的・社会的地位の向上をめざし構成組織の自主性を尊重しつつ直面する課題に立ち向かう、等を確認した。

その後、日赤労組、全済労、協病労組の各大会において新組織を結成することが確認され、平成14 年11 月16 日、「ヘルスケア労協」(保健医療福祉労働組合協議会)が結成された。同日、連合へ加盟申請し、同年11 月19 日の連合第39 回中央委員会で加盟が承認された。

なお、ヘルスケア労協は、平成14 年11 月の結成後も医療・介護等の連絡協議会である全国医療に加盟した。全国医療は、平成19 年12 月に開催した第19 回総会にて、連合内に医療・福祉部門が設置されるのを受け、「全国医療は幕を閉じ、各構成組織は連合医療・福祉部門に結集し、部門の強化・発展をめざす」として解散を決定した。

2. 組織・機構

(1) 組織結成    平成14 年11 月16 日 

(2) 組織人員    10 単一組合・約1万3500 人(平成24 年6月労働組合基礎調査)

(3) 主要加盟組合    日赤労組、全済労、協病労組、等

(4) 役 員
   
会 長:中村武志(協病労組)、

副会長:上水徹也(日赤労組)、上間正彦(全済労)、二瓶修爾(福島中央市民医療生協労組)

事務局長:村山正栄(日赤労組)

(5) 年間予算   非公表

(6) 加盟上部団体    【国内】連合  PSI-JC    【国際】PSI

(7) 政党との関係     運動方針等に記載されていない。

(8) 機構

ヘルスケア労協図

 

3. 主要活動
(1) 運動方針(平成25 年11 月・第12 回総会決定《1年間方針》)【要旨】
① 社会保障制度改革国民会議が、8月5日に政府に提出した報告書は、消費税引き上げが前提である全世代対応型の社会保障改革の実現を目指し、負担は「年齢別」から「負担能力別」へと変更を促している。また、医療提供体制の整備、国民健康保険の都道府県への移行など厳しいものとなっている。
私たちヘルスケア労協は「安心と信頼の医療と介護」の実現を求める方針で運動を進める。

② 患者・利用者・家族によるセクハラ・パワハラ、それに対する毅然とした対処を放棄する医療施設、自殺者まで出すに至った管理職によるパワハラ、長時間の時間外労働や夜勤労働、違法であるサービス残業、そして2012年同時改定の診療報酬・介護報酬の影響を受けた低賃金など、医療・介護・福祉などにおける、労働条件悪化は枚挙に暇がないほどである。
ヘルスケア労協は組合員の生活と健康を守るため、職場の実態を社会的にアピールし、賃金をはじめとした労働条件の改善と職場内での「パワハラ・セクハラ」等の防止に向けて取り組む。

③ 中央委員会は年5回開催し、春闘・労働条件等や各組織の取り組みを協議し、医療・介護・福祉などで働く労働者の情報の交換や労働諸条件の改善に取り組む。

④ 女性委員会は学習会やアンケート調査を行うとともに、各組織間の情報交換を踏まえ、賃金・労働諸条件などの男女格差の改善に向けて取り組む。
女性委員会は年3回開催し、女性委員会を中心に機関運営への女性の参加、連合及びPSI-JCの女性委員会に参加する。

⑤ 次期「ヘルスケア労協」を担う活動家の養成は急務であるため、ヘルスケア労協の運動の取り組みに積極的に参加する組合員の結集を行う。

⑥ 連合の「医療福祉部門連絡会」の活動に積極的に参加し、医療・介護・福祉現場からの発言、問題提起を行い、中央及び地方での運動に反映させていく。

⑦ 原発事故等収束の見通しが今もなお立たない現状である。構成組織の原発被災組合員を支援する取り組みを継続して行う。

⑧ 平和フォーラム・原水禁等の「脱原発」の集会をはじめとした平和運動に参加するとともに憲法を守る運動に取り組む。

(2)特徴的な取り組み
① 組織拡大の取り組みの一環として、県支部の組織化に取り組んでおり、これまで茨城県・神奈川県・岡山県にそれぞれ支部を結成している。

② ヘルスケア労協は「医療崩壊は確実に進んでおり、働き続けることができないで退職していく有資格者の現実が、医療従事者の不足を生み出している」として、看護職等の増員や労働条件改善に向けて、厚生労働省への要請や各種集会等を行っている。
また、TPPに対しては、「医療が資本家の金儲けの道具にされ、医療崩壊が加速する(中村会長)」等として反対している。

③ 毎年5月の「看護の日(12 日)」に合わせて行われる連合主催の「中央集会」に参加しており、平成25 年5月11 日に「安心と信頼の医療と介護(会場:日本教育会館)」というテーマで行われた中央集会には170 名(全参加者約600 人)が参加した。
また、例年同様、集会翌日にはゲストの講師を招いた「学習会」を実施した。

【機関誌等】「保健医療福祉労協」(月刊)